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From a Black Hole
心に空いた 漆黒の闇から ひゅうひゅうと 風が吹いてきます。
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川が呼ぶから
「大分 体調が悪いので
 バイトを休ませてもらえないでしょうか」

「月末の土日だから無理
 とりあえず出てくるだけ出て来て」

「・・・わかりました」


バイト先には迷惑をかけるだけかけている
これ以上は迷惑かけたくない

でも
おそらく
仕事の帰り
私は
また

あの川に 呼ばれる

とりあえず それだけが気がかりだった




なんとか
仕事を終え ビルを出る
鞄を抱え 歩く

すると
だんだん 足の感覚がおぼつかなくなってきた

“ハウルの城”で
荒地の魔女の手下の魔法が切れて
御輿を担いでるのが へなへなとなっていくように・・・

このまま 川を渡るのは ちょっと怖い

だんだん 意識が混濁してくる



川を渡らずに 地下へと降りる階段があったので
よろよろと 地下へと降りる

地下鉄で 一駅乗ることで 川を渡らずに済ますことにした
地下通路を 歩く
意識が朦朧としてくる

しんどくて しんどくて
だんだん 動けなくなる

一歩が だんだん 小さくなる
運ぶ足が だんだん 遅くなる

ついには 動けなくなった


荷物を 降ろし
柱に もたれ
ついには 地面に 座り込んだ


荷物をたぐり寄せ
枕にする
そのまま
つっぷして
私は 動かなくなった


何人かの人に
「大丈夫ですか?」
と聞かれた気がする

そのうちに 駅員さんが二人出てきて
「大丈夫か?」と聞かれた

でも
もう返事をするのもしんどい
答えられたとしても
「大丈夫ではない」
と答えるしかなかったし・・・


「駅の救護室で横になるか?」
と聞かれた
とにかく答えている余裕がない
心のどこかですみませんと謝りながら
そのまま横になったまま ぴくりとも動かない

しばらくすると
車椅子を運んできたらしく
薄く開けた目に車椅子の足を乗せる部分が見える
「乗れるか?」
・・・無理です すみません 動けません
と言いたかったが
その余力もなく
ただただ 動かない 動けない

「反応ないですねぇ」
「酔ってるわけでもないみたいだし」
「救急車 呼びますか?」



しばらくして
遠くから ピーポーピーポーという
馴染み深い音が聞こえてきて 止まった
まさか 自分のために この音を聞く日が来ようとは

ほどなく
バタバタと 救急隊員の人がみえた
「わかりますか?!」
やはり プロ
こちらの意識をはっきりさせるような
はりのある通る声で 揺り動かされた

「お名前は?!」
「ここがどこかわかりますか?!」
「こうなったのは初めてですか?!」
次々と質問をされ
少し意識がはっきりした私は 
蚊の啼くような声で とぎれとぎれに答える

「病院へ行きますか?!」
なんとか横に首を振る

「こうなった原因に心当たりありますか?!」
なんとか手を伸ばし 
鞄のチャックを開ける
携帯を取り出して
自宅の番号をプッシュして
そのまま救急隊員の人に渡す

「どこか病院にはかかってらっしゃいますか?!」
なんとか手を伸ばし
財布を探る
カードの束を取り出し
バラバラと取り落とす
救急隊員の人はそれで事情がわかるだろう

あっという間に
血圧を測られ
目の前の手袋をはめた手に
次々とマジックでメモが書かれていく

その間に
携帯で親と話がついたらしく
親が車で迎えに来てくれることになったらしい

それまで駅長室で待つことになり
私は 救急隊員の手で車椅子に乗せられ
駅長室まで押して行かれた



薄く開けた目から見える車椅子からの景色は
なんだかとても奇妙な感じだった

視界には タイルがつぎつぎと通り過ぎていくのが見え
カタルン ガタルン カタルン ガタルン と
車を通じて 軽い衝撃が 体に伝わってくる

まったくわからないときに まったくわからない方向へ
ぐるり ぐるり と椅子が回り
そのたびに 差して来る 光の方向が変わる

私にとっては 無防備な
高低差の無い ジェットコースターだった


そうこうするうちに
駅長室に着いたらしい
音が静かになり 車椅子が止まった

親の車まで運ぶために
そのまま 車椅子の上で 
親が来るまで待つことになった

駅員さんたちの話し声が聞こえる



それから
だいぶたって
親の車が 到着した

怒られるかなと思ったら
そんなこともなく
父は 私の乗った車椅子を 車まで押して行ってくれた 
車に着くと 母が出てきて
両親と駅員さんとで 私を車の中へ運んでくれた



帰りの車の中
転がり落ちないようにと
母が膝枕をしてくれた状態で
後部座席に横たわっていると

すごく 懐かしく 暖かかった



すべてが 薄目で薄記憶の出来事ではあるけれども






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Author:N.Noir
ブラックホールは 本当は 地球や太陽とかと同じ 天体の一種 なんだって。
でも、その重力に 絶えられずに 崩れてしまうそうな。
崩れた天体は その重力ゆえに あたりのものを 次々 吸い込んでしまう。
これが ブラックホール。

でも、太陽なんかと比べ物にならないほど明るい天体 クエーサーは 実は ブラックホールの 一種だという・・・




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